性格の不一致と一言で言っても,性生活の不一致,金銭感覚の不一致,育児に対する考え方の不一致等,各ご夫婦に応じて,その内容は本当にさまざまです。
性格の不一致は,離婚原因として最も多いですが,法律上は性格の不一致を正式な離婚原因として認められているわけではありません。
離婚原因として認められる性格の不一致とは,法律上「婚姻を継続しがたい重大な理由」に該当する場合のことをいい,婚姻関係が既に破綻していて,将来にわたり修復の可能性がない状態のことを言います。
裁判例等に基づくと,価値観の違い等の性格の不一致のみでは夫婦関係が破綻していると認定されず,あくまでも,夫婦関係が破綻している原因の一つが性格の不一致であると結論づけていることがほとんどです。
認められた例としては,やたらと嫉妬深くなり,プライバシーを侵害するほどに束縛してくるケースなどがありますが,その場合でも性格の不一致というだけではなく,それを理由とする「婚姻を継続しがたい重大な事由」として,別居をしている,夫婦げんかの頻度が程度等,その他の事情がある場合の方が,性格の不一致としての離婚が認定されやすくなっています
性格の不一致によって,離婚を請求する,あるいは請求されたという際は,単純に価値観が違うという理由のみではなく,そのほかに離婚を基礎づける原因があるかどうか,じっくり弁護士に夫婦関係の実態についてご相談なさることをおすすめいたします。