暴力と一言で言ってもその種類は様々です。身体的暴力や精神的暴力,性的虐待や社会的隔離等のいわゆるDV,モラルハラスメント等があります。これらが離婚事由となるためには「婚姻を継続しがたい重大な事由」といえるかどうかが問題となります。
【身体的暴力】
身体的暴力については,多くの場合,離婚原因になります。相手方が継続的に暴力を振るう場合は,裁判上手続きを経れば原則,離婚することができます。もっともその場合であっても,相手方が暴力を否定することは少なくありません。しっかり,お写真や診断書をおとりになり,証拠を残しておくことをおすすめいたします。また,暴力を振るう相手との離婚交渉は想像以上に精神的な苦痛を伴います。お一人で悩まず,どうぞ弁護士にご相談ください。あなたのお気持ちの代弁者となり,円滑に手続きをすすめます。
【精神的暴力】
他方,精神的暴力は離婚できるかの判断がどうか難しくなってきます。離婚原因に該当する精神的暴力には至らないと認定されたからといって直ちに離婚できないわけではありません。別居しているか等その他のご事情によって,離婚することができる可能性もあります。この点は,専門家である弁護士にご相談なさることをおすすめいたします。ご事情を丁寧にききとり,適切なアドバイスをいたします。
・DV(ドメスティックバイオレンス)
DV(ドメスティックバイオレンス)とは,夫あるいは妻から受ける家庭内暴力のことをいいます。種類としては,①身体的虐待,②精神的虐待,③性的虐待,④社会的隔離,⑤経済的暴力等です。これらについては,離婚請求を行う他,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(通称「DV法」)」に基づいて,つきまとい禁止や自宅からの退去を命じる保護命令手続きを裁判所に申し立てることができます。
また現在では公的シェルターのみならず,民間シェルターの数も増えてきています。お一人で悩まず,どうぞ弁護士にご相談ください。あなたのお気持ちの代弁者となり,円滑に手続きをすすめます。
・モラルハラスメント(いわゆるモラハラ)
モラルハラスメントとは,倫理や道徳に反した嫌がらせのことを言います。具体的には,無視したり,暴言を吐いたり,にらみつけたり,嫌がらせをしたりすることです。
このモラルハラスメントは,近年マスコミに取り上げられることによって, 周知されてきた言葉ですが,これを原因として離婚することができるかは,「婚姻を継続しがたい重大な事由に該当するかどうかによって判断します。そもそもモラハラなのか,モラハラだとして,離婚事由となるのか,お一人で悩まず,ぜひ,一度弁護士にご相談ください。