有責配偶者とは,婚姻関係を破綻させた原因(離婚原因)をつくった側の配偶者のことをいいます。
原則として,有責配偶者からは離婚請求ができません。しかし,必ず認められないわけではなく,相手が同意する場合のみならず,以下の3つの条件を満たせば離婚することができると言われています。
- 夫婦の別居期間が両当事者の年齢及び同居期間と比較して,長期間に及んでいること
- 当事者の間に未成熟の子供が存在しないこと
- 相手方配偶者が離婚によって,精神的,社会的,経済的に非常に過酷な状況におかれる等,離婚することによって相手方が被る損害が大きいという事情がないこと
これら3つの条件はすべて程度問題ですから,ご自身が有責配偶者に該当してしまうという場合であっても,諦めず,一度弁護士にご相談なさることをおすすめいたします。
また,ご自身の有責が原因となって離婚の請求をされている場合,ご自身で対応される場合「反省していないの?」「悪いと思っていないの?」などと,感情を大きく逆なでしてしまい,うまく解決まで運べないことが少なくありません。巨額の慰謝料の要求や不公平な財産分与の取り決めがなされることのないよう,弁護士に依頼し,対応をする必要があります。